社員にAIを使ってもらうために、経営者がやるべきこと

みなさん、こんばんは。

五反田明駿です。

本日は、社員にAIを使ってもらうために、経営者の側がやるべきことについてお話しします。

「導入したのに、誰も使っていない」という話をよく聞きます。

原因は社員のやる気ではなく、たいてい進め方のほうにあります。

順に見ていきます。

使われない理由は、やる気だけではない

何に使えばいいか分からない。

間違った使い方をして怒られるのが怖い。

今のやり方でも仕事は回っている。

社員が使わない背景には、こうした理由があります。

「使え」と言うだけでは、迷いや不安は解消しません。

使う場面、守るルール、試す時間を整える。

その準備を経営者の側から進めることが大切です。

1|経営者が先に使って、失敗も見せる

まず、経営者自身が使っている姿を見せます。

私が大切だと思うのは、成功例だけでなく、

うまくいかなかった過程も共有することです。

「頼んでみたけど的外れだった」

「3回直させて、やっと使える形になった」。

そうした話なら、最初から完璧でなくてもよいと伝わります。

逆に「すごく便利だ」とだけ伝えると、

うまく使えない自分が悪いと感じる人もいます。

完成品に加え、どこを人が直したかも見せてください。

私の会社でも、最初から全員が使ったわけではありません。

一人で先に触っていた時期がしばらくありました。

その間に、業務が楽になる具体例を

自分の中に溜められたのがよかったと思っています。

号令だけでなく、現場で使える例を用意することです。

2|最初に使う場面を、一つ指定する

「好きに使っていいよ」だけでは、

何から始めればよいか分からない人もいます。

最初は、今ある作業を一つ選んでください。

たとえば、機密情報を含まないメモの要約や、

公開情報を使った提案書の構成案づくりです。

使う情報が社内ルールで許可されているかも確認します。

「構成案を3案出す→担当者が選んで修正する」まで決めると、

作業の入り口と終わりが分かります。

慣れてきてから、対象を広げれば十分です。

新しい仕事を増やすのではなく、

毎週やっている面倒な作業の置き換えから選ぶ。

最初の一つは、社員自身が楽になる場面にします。

3|入力情報と確認手順を、一枚にまとめる

ルールは短く、見返しやすくします。

ただし、「入力禁止情報」だけでは十分ではありません。

使える環境と、出力を確認する人も決めます。

  • 会社が承認したAIとアカウントを使う
  • 個人情報、未公開の数字、人事情報などの扱いを決める
  • 契約や守秘義務に関わる情報は、入力前に確認する
  • 社外へ出す文章や数字は、担当者が元情報と照合する
  • 迷ったときの相談先と、誤入力したときの報告先を決める

入力内容の保存や学習利用などの条件も、

管理担当者が利用サービスごとに確認します。

名前を伏せただけで安全になるとは限りません。

禁止事項と一緒に、使ってよい具体例も示す。

社員がその場で判断できないものは、

相談してから進める形にしておきます。

4|浮いた時間の使い道を、先に伝える

効率化の話を聞いて、

「仕事が減ったら自分はどうなるのか」と

不安に感じる人もいます。

時間を何に振り向けるかを、先に言葉にしてください。

顧客への確認を丁寧にする、提案の質を上げるなど、

現場が納得できる使い道を相談します。

試す時間を確保せず、通常業務の上に追加すると、

AI活用そのものが負担になりかねません。

業務時間の中で試せる小さな枠を設けます。

評価への反映や仕事の配分も、

決まっていることと未定のことを分けて伝える。

実行できない約束で安心させないことも大切です。

5|うまくいった例を、再現できる形で回す

便利な使い方が見つかったら、社内で共有します。

「便利だった」で終わらず、

他の人が試せる材料を残してください。

対象の業務、渡した指示、修正した点。

この3つがあると、同僚が再現しやすくなります。

共有するときも、機密情報は含めないようにします。

時間短縮だけでなく、確認にかかった時間や

仕上がりの品質も見てください。

使った回数を増やすこと自体が目的ではありません。

禁止だけで終わらず、使える条件を示す

業務や情報の性質によっては、

利用を制限・禁止する必要がある場合もあります。

一律に「禁止は悪い」とは言えません。

一方で、理由や代替手段が示されないと、

会社が把握していない環境で使われる懸念もあります。

承認済みの環境と、相談できる窓口を用意します。

使えない情報と、試してよい業務を分ける。

現場の困りごとを聞きながら、

ルールも定期的に見直していきます。

まとめ|まず一つの業務で試す

経営者が整えるのは、次の5つです。

①自分が使い、失敗も見せる

②使う場面を一つ決める

③入力情報と確認手順を決める

④浮いた時間の使い道を伝える

⑤再現できる事例を共有する。

社員が使わない理由を、やる気だけで片付けない。

使いやすい状態を作ることも、経営者の仕事です。

まずは今週、既存業務を一つ選んで試してください。

翌週に、楽になった点と困った点を一緒に振り返る。

その小さな改善から始めてみてください。


五反田明駿(ごたんだ めいしゅん)

ワイズ株式会社 代表取締役社長。

Webマーケティング、営業代行、インサイドセールス、

人材育成を手がけるかたわら、

AI活用スクール「AcademyAI」を運営しています。

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