気をつかうメールほど、AIに下書きさせたほうがいい
みなさん、こんにちは。
五反田明駿です。
本日は、断りのメール、値上げの連絡、お詫び——気をつかうメールこそAIに下書きさせるといいという話をします。
定型的なメールをAIに任せる話はよく聞きます。ですが実際に時間を食っているのは、定型メールではありません。書き出しで10分止まるような、気の重いメールのほうです。ここにAIを使うと効きます。
時間を食っているのは「書く時間」ではない
断りのメールは、入力だけなら
数分で終わることもあります。
それでも送信まで時間がかかるのは、
「どう書けば関係を傷つけないか」と
迷っている時間が長いからです。
角が立たないか、そっけなくないか、
言い訳がましくないか。
この迷いで手が止まり、後回しにすると、
返信が遅れてさらに気まずくなります。
AIが減らせるのは、この迷って止まる時間です。
たたき台があると、作業が「判断」に変わる
何もない状態から書くのは大変ですが、
文面が目の前にあれば、
違う部分を直す作業に変わります。
一度に3案出してもらえば、
丁寧さや距離感を比べて選べます。
ただし、AIに決断を任せるわけではありません。
断るか、値上げするか、何を謝るかは人が決め、
AIにはその内容を伝える文章の
たたき台を作ってもらいます。
プロンプト例|お断りのメール
ただ「断りのメールを書いて」では、
状況に合わない文章になりやすいため、
相手との関係と今後の希望まで伝えます。
・相手:3年ほど取引のある会社の営業担当
・断る理由:現在の体制では品質を保てる稼働が確保できないため
・今後も他の案件では継続して取引したい
・こちらから出せる代案はない
条件:
・300字程度
・言い訳がましくならないように
・「今回は」と限定し、関係を続けたい意思を明確に
・トーンの違う案を3つ
ポイントは、断る理由と、
今後どうしたいかを具体的に書くことです。
固有名詞や社外秘を入れなくても、
関係性と判断理由があれば精度は上げられます。
プロンプト例|値上げのお願い
値上げの連絡では、理由だけでなく、
変更時期と、改定後も維持する価値を伝えます。
・改定幅:約10%
・理由:人件費と外注費の上昇。現在の価格では品質の維持が難しい
・3年間、価格を据え置いてきた
・相手には長く取引してもらっており、今後も続けたい
条件:
・400字程度
・謝りすぎず、事実を落ち着いて説明する
・値上げ後も維持する品質や対応を明示する
・相談の余地を残した書き方にする
「謝りすぎない」「落ち着いて説明する」など、
希望するトーンを指定するのがコツです。
出力が強すぎたり弱すぎたりしたら、
一度で決めずに調整してください。
プロンプト例|お詫びのメール
お詫びでは、きれいな文章よりも、
何が起き、どう対応するかが重要です。
・遅れるもの:月次レポート
・当初の納品日:9月10日
・新しい納品予定日:9月12日
・原因:確認工程に想定以上の時間がかかった
・再発防止:確認担当と締切を前倒しする
条件:
・事実、影響、対応、再発防止の順にする
・責任を曖昧にしない
・過度に長くしない
AIに原因を考えさせてはいけません。
事実と対応は自分で確定し、
文章の整理だけを任せます。
未確定の納期を勝手に約束していないかも
必ず確認してください。
使いこなしのコツ3つ
- 背景を具体的に書く。関係性、経緯、判断理由、今後の希望を伝えます
- トーン違いで3案出す。丁寧、簡潔、やわらかめなどを比べます
- 対話しながら直す。「短く」「結論を先に」など追加で指示します
個人情報や機密情報は、そのまま入力しない
取引先名、担当者名、未公開の金額、
契約内容、社内事情などを入力する前に、
会社のAI利用ルールと利用サービスの設定を
確認してください。
下書き段階では「取引先A」「担当者」などに置き換え、
必要な固有名詞は最後に自分で戻す方法があります。
入力する情報を最小限にすることも、
AIを仕事で使う基本です。
そのまま送らないでください
AIの文章は整っていても、
相手との距離感や自分らしさが
十分に反映されないことがあります。
AIは下書きまで、仕上げと送信は自分。
この線引きを守ってください。
- 宛名と会社名は正しいか
- 金額、日付、期限は確定情報か
- 約束していない条件を追加していないか
- 責任や原因を事実以上に断定していないか
- 普段の自分の言葉として不自然でないか
まとめ
気をつかうメールでAIが役立つのは、
書く作業より、迷って止まる時間を
減らせるからです。
たたき台があれば、判断と修正に進めます。
背景を具体的に伝え、3案を比べ、
事実とトーンを自分で確認する。
まずは固有名詞を伏せた状態で、
一番書き出しに迷っているメールから
試してみてください。
※AIサービスへ入力できる情報は、所属先の規程、契約、利用するサービスの設定や規約によって異なります。機密情報・個人情報の取り扱いを確認し、送信前には必ず人が内容を確認してください。
五反田明駿(ごたんだ めいしゅん)
ワイズ株式会社 代表取締役社長。
Webマーケティング、営業代行、インサイドセールス、
人材育成を手がけるかたわら、
AI活用スクール「AcademyAI」を運営しています。
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